18 7月 町田久美
ひもろぎ
作品解説
伝統的な雲肌麻紙(和紙)に墨や胡粉、岩絵具で描くという日本画の技法で、大胆な余白を使いながら、墨線で対象を描く町田久美。今回の作品では、人の手によって造られた神宮の杜の緑は今では貴重な都心に残された緑で、それが残るも消えるも、また人の手にかかっていることを示唆しています。とりわけ線ひょうげんの強さと美しさは町田作品の特徴とも言えるものですが、ひと筆ではなく、いくつもの細いタッチの集積によって完璧にコントロールされ、その絵画空間を支配していることは特筆すべきことでしょう。
伝統的な雲肌麻紙(和紙)に墨や胡粉、岩絵具で描くという日本画の技法で、大胆な余白を使いながら、墨線で対象を描く町田久美。今回の作品では、人の手によって造られた神宮の杜の緑は今では貴重な都心に残された緑で、それが残るも消えるも、また人の手にかかっていることを示唆しています。とりわけ線表現の強さと美しさは町田作品の特徴とも言えるものですが、ひと筆ではなく、いくつもの細いタッチの集積によって完璧にコントロールされ、その絵画空間を支配していることは特筆すべきことでしょう。
町田久美
Kumi MACHIDA
1991年生まれ。静岡県出身。2017年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。
2020年同大学院博士後期課程在籍。茨城県取手市にあるスタジオ航大を中心に制作を行う。カメラとプロジェクター、シルクスクリーンなどを用いた、時間や空間といったテーマの平面作品を制作。主な展覧会は「TIME TO CONVERGE」(MARUEIDO JAPAN、2020)、「Scattered time」(GINZASIX 蔦屋書店、2019)など。第1回CAF賞グランプリ、現代芸術振興財団前澤友作コレクション収蔵。