名和晃平
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名和晃平

名和晃平

nawa_web

《White Deer (Meiji Jingu)》2020
ブロンズに塗装
Photo: Keizo Kioku

名和晃平

名和晃平
Kohei Nawa

彫刻家/SANDWICH Inc.主宰/京都芸術大学教授 1975年生まれ。京都を拠点に活動。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。セル(細胞・粒)という概念を機軸として、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知覚体験を生み出してきた。近年では、アートパビリオン「洸庭」など、建築のプロジェクトも手がける。2015年以降、ベルギーの 振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品「VESSEL」を国内外で公演中。2018年にフランス・ルーヴル美術館 ピラミッド内にて彫刻作品“Throne” を特別展示。

作品紹介

グローバリゼーションが広がる現代では、多様性が社会の変化と発展に不可欠な要素となり、曾ての王権や王政のように多くの人々がひとつの絶対的な価値や原理に染まることは稀になった。しかし、コンピュータや人工知能が加速度的に進化を遂げ、絶対的な知性を誇るようになる時、私たちの社会全体、ひいては国家さえも、それに盲従してしまうのではないか。そのような予感を浮遊する空位の玉座(throne)として表現した。ピラミッドがそうであるように、古代から連綿と続く「権力」や「権威」が遺してきたものは一体何か。そして、未来はどうなるのか。東洋の神事・祭事に登場する「山車」や「御輿」などの造形を参照しつつ、最新の3D造形システムと紀元前にエジプトで始まったと言われる金箔貼りの技法を融合させて彫刻化した。正面中央部には2~3歳の子供がやっと座れるほどのスペースが設けられ、新しい知性はまだ幼い状態であることが示唆される。また、前面と背面の中央にはそれぞれひとつずつ、鏡面状に輝く球体が配されている。このプラチナ箔製の球体は「世界を見据える目」であり、正面は現在や未来を、背面は過去を見据えている。

《Throne(g/p_pyramid) 》2019
mixed media 1552×726×495 mm
photo: Nobutada OMOTE | SANDWICH

《 mission [SPACE×ART]-beyond cosmologies》2014
photo: Nobutada OMOTE | Sandwich

《PixCell-Deer#60》2019
mixed media
2124×1795×1550 mm
photo: Nobutada OMOTE | Sandwich